「Claude Codeが業務に使えると聞いたが、自社のどの作業に当てはまるのか具体像がない」「エンジニアの事例ばかりで、経理や営業の例が見つからない」。ファイルを読み書きし、決めた手順を実行するAIエージェントであるClaude Codeは、活用できる業務の幅が広い一方で、「何から手を付けるか」で止まる企業が多いツールです。
本記事では、中小企業の非エンジニアがClaude Codeで自動化できる業務を、経理・総務、営業、マーケティング、人事・採用、現場・製造の5部門で30件挙げ、それぞれ「指示のポイント」と「人が確認する点」を付けて整理します。あわせて、1業務を自動化するまでの手順の型、着手順の決め方、失敗例を、公的統計とAnthropic公式ドキュメントに基づいて解説します。Claude Codeそのものの解説はAIエージェントとは?中小企業の業務活用・導入の始め方を先にご覧ください。
なぜ「部門別・業務別」で考える必要があるのか
中小企業の生成AI活用は「文章」に偏っている
商工中金の「中小企業の生成AIの利用にかかる調査(2026年1月調査)」によると、生成AIを活用している中小企業の活用事例は「メール・議事録など文章作成」が74.0%と突出し、次いで「デスクワークの効率化」48.7%、「経営戦略・企画」30.0%、「デザイン・画像」29.3%、「リサーチ」20.2%、「アプリ・システム開発」16.9%、「人材育成」9.9%です。帝国データバンクの「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」でも、主な活用業務は「文章の作成・要約・校正」が最多で、大企業では47.8%に達し、小規模企業では「情報収集」が25.2%と全体(21.8%)を上回っています。
つまり、多くの企業はまだ「文章を作らせる」段階にあり、「ファイルを集計する」「複数の資料を照合する」「決めた手順を毎週実行する」といったデスクワークの自動化には手が届いていません。Claude Codeが得意なのはまさにこの領域で、部門ごとの定型作業を洗い出すことが活用の起点になります。
導入が進むのは総務・管理部門、伸びしろは現場部門
中小企業基盤整備機構(中小機構)の「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月)では、業務分野別のAI導入率は総務・管理部門68.3%、営業・販売・サービス部門60.3%、経営・企画部門58.5%に対し、製造・生産部門は34.9%にとどまります。ファイルと文書を多く扱う部門ほど着手しやすく、現場部門は日報や点検記録の文書化が進めば伸びしろが大きい、という構図です。同調査でAI導入の目的は「業務効率化/作業時間の短縮」が87.0%と突出しており、本記事の30件もすべて時間短縮を軸に選んでいます。
Claude Codeに向く業務の3条件と4タイプ
30件を見る前に、判断基準を共有します。向く業務の条件は3つです。
- 手順を言葉で説明できる(「このフォルダのCSVを、この列で集計して、この形式で出す」と書ける)
- 誤りがあっても人の確認で直せる(確定や送信の前に人が見る工程を挟める)
- 月に数時間以上かかっている(削減効果を測れる)
この条件を満たす業務は、動きの種類で4タイプに分かれます。

タイプ | 動き | 代表例 | 誤りの出やすさ |
A. 整理・集計 | 複数ファイルを読み、表にまとめる | 経費CSVの統合、資料一覧の作成 | 列のずれ、集計条件の解釈違い |
B. 文書生成・整形 | 素材から所定の形式の文書を作る | 議事録整形、報告書の下書き | 要約時の抜け、数値の転記ミス |
C. 照合・チェック | 2つ以上の情報を比べ、差分や異常を抽出する | 請求書と発注書の突合、規程の差分抽出 | 判定基準の曖昧さ |
D. 定型実行 | 決めた手順を繰り返し実行する | 週次レポートの作成、フォルダの整理 | 前提条件の変化(ファイル名や形式の変更) |
Anthropicの公式ドキュメントでは、Claude Codeはファイルの読み書き、コマンド実行、外部ツール連携(MCP)、指示書(CLAUDE.md)による手順の固定、スケジュール実行に対応すると説明されています。4タイプはいずれもこの機能の範囲内です。
Claude Codeで自動化できる業務30選【部門別】
いずれも「Claude Codeが下書き・集計・抽出まで行い、人が確認して確定する」前提です。指示のポイントは、後述する「目的・入力・出力・禁止事項」の4要素で書くときの要点を示しています。
経理・総務(8件)
# | 業務 | タイプ | 指示のポイント | 人が確認する点 |
1 | 複数部門の経費CSVを統合し、部門別・科目別に集計する | A | 列名の対応表を渡す。出力は3列(部門・科目・金額)と要約メモ | 合計金額が元データと一致するか |
2 | 請求書PDFの内容を一覧表に転記する | A | 抽出項目(取引先・日付・金額・支払期限)を指定。読めない箇所は「要確認」と出力させる | 金額と取引先名の転記 |
3 | 発注書と請求書を突合し、差分を抽出する | C | 突合キー(発注番号)と許容差を明示 | 差分の理由判断 |
4 | 月次の経費レポートの下書きを、前月のレポート形式で作る | B | 前月の完成品を型として渡す | 増減の理由の記述 |
5 | 就業規則や経費規程の改定前後の差分を整理する | C | 条番号ごとに「変更前・変更後・変更点」の表で出す | 法令上の解釈 |
6 | 共有フォルダの資料を内容別に分類し、一覧表を作る | A | 分類軸(年度・部門・種類)を指定。ファイルは移動させず一覧のみ | 分類の妥当性 |
7 | 備品・資産台帳と購買記録を照合し、未登録品を抽出する | C | 照合キーと期間を指定 | 除外すべき消耗品の判断 |
8 | 社内問い合わせの記録を分類し、FAQ候補を作る | B | 頻度順に分類し、上位20件の質問と回答案を出す | 回答内容の正確性 |
経理・総務の業務全体像は経理・総務のAI活用ガイドを、8番のFAQ整備は社内ナレッジAI検索(RAG)の解説と組み合わせると効果が出ます。
営業(7件)
# | 業務 | タイプ | 指示のポイント | 人が確認する点 |
9 | 商談メモから提案書の骨子(目次と各章の要点)を作る | B | 自社の提案書テンプレートの目次を渡す | 顧客固有の条件、金額 |
10 | 過去の見積ファイルから類似案件を探し、条件を一覧にする | A | 検索条件(業種・規模・金額帯)を指定 | 過去条件を流用してよいか |
11 | 顧客リストの重複・表記ゆれを整理する | C | 同一判定の基準(社名の表記、住所)を明示。元ファイルは変更しない | 統合判定の最終確認 |
12 | 展示会やWebからの問い合わせを分類し、優先度案を付ける | C | 優先度の基準(業種・規模・緊急度)を指定 | 優先度の最終判断 |
13 | 商談後のお礼メールと次回提案の下書きを作る | B | 商談メモと自社のメール文体の例を渡す。送信はしない | 宛名・日付・約束事項 |
14 | 週次の営業活動報告を、各担当の日報から集計する | D | 集計項目(訪問数・提案数・受注)と出力形式を固定し、指示書に保存 | 数値の元データとの一致 |
15 | 競合3社の公開情報を調べ、比較表にまとめる | A | 調べる項目と出典URLの併記を必須にする | 出典の実在と鮮度 |
営業でのAI活用の進め方は生成AIで営業を効率化する方法で詳しく解説しています。
マーケティング(5件)
# | 業務 | タイプ | 指示のポイント | 人が確認する点 |
16 | 広告レポートの月次比較表を作る | A | 指標の定義(クリック数・CV・費用)と比較期間を固定 | 指標の定義のずれ |
17 | アクセスデータを集計し、グラフ用のデータを整える | A | 出力はグラフツールに貼れるCSV形式に指定 | 期間の切り方 |
18 | 記事・投稿の構成案を複数パターン作る | B | 対象読者・目的・避ける表現を明示 | 事実関係と表現の強さ |
19 | 過去のメルマガの反応率を集計し、件名の傾向を整理する | A | 反応率の定義と集計単位を指定 | 傾向解釈の妥当性 |
20 | サイトの記事一覧を読み、内部リンク候補を抽出する | C | 関連性の判定基準(同一テーマ・補完関係)を示す | リンク文言と配置 |
人事・採用(5件)
# | 業務 | タイプ | 指示のポイント | 人が確認する点 |
21 | 応募書類の要点を統一フォーマットに整理する | B | 抽出項目を固定。個人情報の扱いは社内ルールに従い、商用契約で実施 | 評価に関わる判断は人が行う |
22 | 評価シートの雛形を役職別に作る | B | 評価項目と等級の定義を渡す | 公平性・法令適合 |
23 | 研修資料の目次案と演習問題の案を作る | B | 対象者・到達目標・時間を指定 | 自社業務との整合 |
24 | 勤怠データから残業時間の多い部門・時期を抽出する | C | 閾値と集計単位を指定。個人名は出力しない設定にする | 原因の解釈 |
25 | 社内アンケートの自由回答を分類し、要約する | B | 分類軸を指定し、原文の引用は匿名化する | 少数意見の扱い |
採用・人事での活用は、個人情報を扱う場面が多いため、Team以上の商用契約と社内ルールの整備が前提です。ルールの作り方は生成AI社内ガイドラインの作り方を参照してください。
現場・製造・店舗(5件)
# | 業務 | タイプ | 指示のポイント | 人が確認する点 |
26 | 日報テキストを月次でまとめ、課題の傾向を抽出する | B | 抽出する観点(遅延・不良・安全)を指定 | 現場用語の解釈 |
27 | 点検記録から基準値を外れた項目を抽出する | C | 基準値の一覧を渡し、外れ値と日時を出力 | 異常判定と対処 |
28 | 手順書の改定履歴を整理し、最新版の一覧を作る | A | 版番号・改定日・変更点の3列で出力 | 現行版の確定 |
29 | 在庫データと発注記録を照合し、発注漏れ候補を出す | C | 安全在庫の基準と照合期間を指定 | 発注の実行は人 |
30 | 店舗別の売上CSVを統合し、週次の比較表を作る | D | 店舗コードの対応表と出力形式を固定し、指示書に保存 | 店舗コードの変更への対応 |
業種別の活用領域は製造業のAI活用完全ガイド、小売業のAI活用ガイドも参照してください。
1業務を自動化するまでの手順【経費CSV集計の例】
30件のどれも、進め方は同じ型です。1番の「経費CSVの統合・集計」を例に、実際の手順を示します。
手順1: 現状を測る
現在この作業に月何時間かかっているかを記録します。仮に月2時間なら、この数字が効果測定の基準です。
手順2: 作業用フォルダを作り、コピーを置く
「AI作業用/経費集計」フォルダを作り、対象月のCSVのコピーを置きます。原本は置きません。Anthropicの公式セキュリティドキュメントによると、Claude Codeは手動モードでは起動したフォルダとその下位にしか書き込めないため、このフォルダで起動すれば影響範囲が限定されます。
手順3: 指示を4要素で書く
- 目的: 2026年8月の経費を部門別・科目別に集計した表を作る
- 入力: このフォルダ内のCSV3つ。列名は「部署」「勘定科目」「金額」だが、営業部のファイルは「部門」「科目」「金額(円)」になっている
- 出力: 部門・科目・金額の3列のCSV(summary.csv)と、金額上位5科目と前月比のコメントをまとめたメモ(memo.md)
- 禁止事項: 元のCSVは変更しない。金額の丸めはしない。読み取れない行は集計から外し、行番号を報告する
手順4: 承認を読みながら実行する
Claude Codeがファイルを作成・編集する前に承認を求めてくるので、対象ファイル名と内容を確認して許可します。公式ドキュメントでは、手動モードでは読み取り専用から始まり、編集やコマンド実行の前に承認を求める設計と説明されています。
手順5: 結果を検証し、指示書に固定する
合計金額が元データの合計と一致するかを確認します。問題なければ、この指示をフォルダ内のCLAUDE.md(指示書)に書き残します。公式ドキュメントによると、Claude Codeはセッション開始時にこのファイルを読むため、翌月は「先月と同じ手順で8月分を9月分に置き換えて実行」で済みます。月2時間の作業が、確認込みで20〜30分になれば成功です。効果測定の設計は生成AI導入のROI・効果測定の測り方を参照してください。
どれから着手するか:優先順位の決め方
30件を全部やろうとすると、どれも定着しません。次の3軸で点数を付け、上位1〜2件から始めてください。
軸 | 高い(3点) | 中(2点) | 低い(1点) |
頻度 | 毎日〜毎週 | 毎月 | 四半期以下 |
所要時間(1回あたり) | 2時間以上 | 30分〜2時間 | 30分未満 |
誤りの許容度(リスクの低さ) | 下書きで人が必ず確認する | 確認するが見落としの影響がある | 誤りが金銭・信用に直結 |
合計7点以上が最初の候補です。経理の「経費CSV集計」(毎月・2時間・下書き確認)や営業の「週次活動報告の集計」(毎週・1時間・下書き確認)は7〜8点になりやすく、着手に向きます。逆に「請求書の突合」は効果が大きい一方、誤りの影響が大きいため、指示書が安定してから2番目以降に回すのが安全です。
企業規模別の着手パターン
- 従業員10名前後: 経営者自身の作業(9・15・4番)から。指示書を自分で書いて型を覚える
- 従業員10〜50名: 経理・総務の1〜2件と営業の14番。推進担当1名が指示書を管理し、部門に渡す
- 従業員50名以上: 部門ごとに1件ずつ選び、推進担当が指示書の共有フォルダを運用。商用契約(Team以上)で個人情報を含む業務にも広げる
30件に共通する指示書(CLAUDE.md)の型と3つの記入例
30件の業務は、指示書の書き方が共通しています。Anthropicの公式ドキュメントでは、作業フォルダに置いたCLAUDE.mdをClaude Codeがセッション開始時に読むと説明されており、ここに「目的・入力・出力・禁止事項・確認手順」を書いておけば、翌月以降は同じ品質で再現できます。テンプレートと、タイプ別の記入例を示します。
項目 | 書く内容 | A. 集計(1番 経費CSV) | C. 照合(3番 発注書と請求書) | D. 定型実行(14番 週次営業報告) |
目的 | 何を作るか1文で | 当月の経費を部門別・科目別に集計した表を作る | 発注番号を突合し、金額差のある取引を一覧にする | 各担当の日報から週次の活動報告表を作る |
入力 | ファイルの場所・形式・列名の前提 | フォルダ内のCSV3つ。営業部のみ列名が「部門」「科目」「金額(円)」 | 発注書一覧(orders.csv)と請求書一覧(invoices.csv)。キーは発注番号 | daily/フォルダ内の当週分のテキスト日報。担当者名はファイル名 |
出力 | ファイル名・形式・列・要約の有無 | summary.csv(部門・科目・金額)とmemo.md(上位5科目と前月比) | diff.csv(発注番号・発注額・請求額・差額)と件数の要約 | weekly.csv(担当・訪問数・提案数・受注数)と気づき3点のメモ |
禁止事項 | してはいけないこと | 元CSVは変更しない。金額の丸めはしない | 差額の理由を推測して書かない。元ファイルは変更しない | 日報にない数値を補完しない。送信はしない |
確認手順 | 人がどこを見るか | 合計金額が元データの合計と一致するか | 差額上位5件の原本を人が開いて確認 | 訪問数の合計を日報の件数と照合 |
この5項目を埋めるだけで、30件のどれも指示書にできます。書けない項目がある業務は、まだ手順が言葉になっていないということなので、先に業務の棚卸しを行ってください。
指示書を「会社の資産」にする運用ルール
指示書が個人のパソコンに閉じていると、担当者の異動や退職で自動化が止まります。共有フォルダに「部門/業務名/CLAUDE.md」の構成で置き、更新責任者と月1回のレビューを決めてください。商工中金調査では、生成AI活用の課題として「ノウハウが一部の人に偏っている」14.7%、「利用が定着しない」12.0%が挙がっています。指示書の共有はこの2つへの直接の対策です。社内展開の進め方はAI人材育成の進め方を参照してください。
業種別に読み替えるときの着眼点
30件は部門別に整理しましたが、業種によって「同じタイプで、対象ファイルが違う」業務があります。自社の業種で読み替える着眼点を示します。
業種 | 読み替えの例 | タイプ | 詳しい活用ガイド |
建設業 | 工事写真のフォルダ整理と一覧化、日報から週報の作成、施工書類の改定差分 | A・B・C | |
不動産業 | 物件情報CSVの統合、反響メールの分類、月次オーナー報告の下書き | A・C・B | |
クリニック | 予約データの集計、問い合わせ記録の分類、書類雛形の整備(個人情報は商用契約とルール前提) | A・C・B | |
士業 | 顧客ごとの必要書類チェックリストの照合、規程・法改正の差分整理 | C | |
介護・福祉 | 記録の月次まとめ、シフト希望の集計、研修資料の整備 | B・A |
中小機構調査では、AI導入企業が最も不足を感じる情報は「成功事例や活用事例」(83.3%が不十分と回答)です。他社の事例を探すより、自社の30件を書き出して1件目を成功させる方が、結果的に早く事例が手に入ります。
費用の目安と、研修・助成金で立ち上げを早める方法
Claude Codeの利用料金は、Anthropicの公式料金ページ(2026年9月時点)で個人向けProが月17ドル(年払い)または20ドル(月払い)、法人向けTeam Standard席が月20ドル(年払い)または25ドル(月払い)です。1人で1業務を試すだけなら月数千円で始められ、費用よりも「指示書を書く力」を身につける時間が実際の投資になります。
複数人で同時に基礎をそろえたい場合は、自社の業務を題材にした研修が近道です。厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)では、中小企業は訓練経費の75%が助成されますが、2026年8月の改正で「汎用的な使い方を学ぶだけの訓練」は対象外になりました。本記事の30件のように、対象者の実業務に直結した内容で設計することが助成の条件です。研修の費用と助成金の詳細はAIエージェント研修の始め方|Claude Code研修の内容・費用・助成金を参照してください。
よくある失敗例5つと回避策
失敗例1: 30件を一度に始めて、どれも定着しない
効果が見えないうちに対象を広げ、確認の手間だけが増える失敗です。回避策は、優先順位表で7点以上の1〜2件に絞り、指示書が安定してから次に進むことです。
失敗例2: 集計条件を曖昧にしたまま結果を信じる
「経費をまとめて」と指示し、科目の分類や丸めがAI任せになり、合計が合わない失敗です。回避策は、4要素の指示書に列の対応表と丸めの禁止を明記し、合計の一致確認を手順に入れることです。
失敗例3: 原本フォルダで起動して上書きされる
作業用フォルダを分けず、原本が編集されてしまう失敗です。回避策は、コピーを置いた作業フォルダで起動し、「元ファイルは変更しない」を指示に含め、承認時に編集対象を確認することです。
失敗例4: 個人情報を含む業務を個人契約で始める
応募書類や勤怠データを、学習利用の設定を確認していない個人プランで処理する失敗です。回避策は、21〜25番のような業務は商用契約(Team以上)に移行してから行い、社内ルールに扱えるデータの区分を明記することです。法人契約の考え方はChatGPT・Claude・Gemini法人版の比較記事も参考にしてください。
失敗例5: 出典のない調査結果をそのまま使う
15番の競合調査で、出典URLを付けさせずに結果を提案書に使い、誤情報が混ざる失敗です。回避策は、調査系の指示では出典URLの併記を必須にし、人が原典を開いて確認する工程を入れることです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 30件のうち、最初に試すべきものはどれですか?
頻度・所要時間・リスクの3軸で7点以上になる業務です。多くの中小企業では、経費CSVの集計(1番)、週次の営業活動報告の集計(14番)、議事録・日報のまとめ(26番)が候補になります。
Q2. プログラミングができない担当者でも、これらの業務を任せられますか?
任せられます。指示は日本語の文章で、目的・入力・出力・禁止事項の4要素で書きます。ファイルの読み書きや集計はClaude Codeが実行するため、担当者に必要なのは「業務の手順を言葉にする力」と「結果を確認する力」です。
Q3. Excelのマクロやマクロ付きファイルとは何が違いますか?
マクロは決めた手順を固定的に実行するため、ファイルの形式や列名が変わると止まります。Claude Codeは列名のずれや形式の違いを読み取って調整でき、手順が毎回少し変わる作業に向きます。逆に、完全に固定された処理はマクロの方が確実で速い場合があります。
Q4. 個人情報を含む業務は避けるべきですか?
試用の段階では避け、商用契約(Team以上)に移行し、社内ルールで扱えるデータの区分を決めてから始めてください。商用契約では入力データが学習に使われないとAnthropicの公式ドキュメントに明記されています。
Q5. 毎週の定型作業を自動で実行させることはできますか?
公式ドキュメントには、繰り返し作業を予定実行する機能(Routines、デスクトップの予約タスク)が記載されています。ただし、外部に影響が出る操作(送信・削除)は人が実行する運用にし、自動実行の対象は集計や下書きの作成に限定してください。
Q6. 効果はどのくらい期待できますか?
業務によりますが、月2時間の集計作業が確認込みで20〜30分になる、といった水準が現実的な目安です。導入前の所要時間を測っておき、確認時間を含めた削減率で判断してください。
Q7. 現場部門で使うには何が必要ですか?
日報や点検記録が文書やデータになっていることが前提です。紙のままなら、まずスキャンやテキスト化から始めます。中小機構調査で製造・生産部門のAI導入率は34.9%と低く、記録の電子化が進んでいる企業から差がつく領域です。
Q8. 30件以外の業務にも応用できますか?
できます。「手順を言葉で説明できる」「誤りを人の確認で直せる」「月に数時間以上かかる」の3条件を満たし、整理・集計、文書生成、照合、定型実行の4タイプのいずれかに当てはまる業務なら、同じ手順の型で進められます。
まとめ: 30件から「7点以上の1件」を選び、指示書を会社の資産にする
Claude Codeで自動化できる業務は、経理・総務、営業、マーケティング、人事・採用、現場の5部門で少なくとも30件あり、いずれも「整理・集計」「文書生成」「照合」「定型実行」の4タイプに分かれます。進め方は共通で、現状を測る、作業フォルダを分ける、4要素で指示を書く、承認を読んで実行する、指示書に固定する、の5手順です。
中小企業の生成AI活用は文章作成に偏っており、ファイルを扱うデスクワークの自動化はまだ少数です。優先順位表で7点以上の1件から始め、うまくいった指示書を共有フォルダに集めることで、個人の工夫が会社の資産に変わります。
株式会社Nexiでは、自社の業務を題材にClaude Codeの指示書を作って持ち帰るAI研修(人材開発支援助成金の活用を前提に設計)と、対象業務の選定から指示書の整備・社内展開まで伴走するAIコンサルティングを提供しています。「自社の30件はどれか」を一緒に洗い出す相談も承ります。資料請求またはお問い合わせからご連絡ください。